
漢方薬は、植物、動物、鉱物などの生薬(しょうやく)を混合して使う治療薬です。生薬の多くは中国をはじめとして、東南アジアから中央アジアあたりで産出されるものが多いですが、日本特有の生薬(竹節人参etc...)もあります。漢方医学の考えに沿って、この漢方薬を用いるのが特徴です。
そんなことはありません。急性な症状、例えば風邪などでしたら1~3日位で効果が現れます。慢性的に悩んでいた症状でも、1~6カ月程度で効果が現れます。数年にわたって同じ漢方を飲み続けるようなことはまれです。
漢方治療のもっとも大きな特徴は、漢方医学的に診断して治療することにあります。これを「証をみる」といいます。証とは「あかし」「確証」の事です。証をみて漢方薬を選びますと、もっとも副作用少なく、かつもっとも高い効果を発揮することができます。例えば、葛根湯はどんな風邪でも効くわけではありません。風邪のひき始めで、頭痛、寒気、項背のこわばりなどの症状があって、とくに汗が出ていない場合が葛根湯の適応になり、その病気の方は「葛根湯の証」ということになります。もしも汗が出ていたり、喉がすごく乾くような場合には別の漢方薬を使用します。こうした鑑別診断をすることが民間薬との最も大きな違いです。漢方の優れたところは漢方薬(ハード)そのものよりもその使い方(ソフト)にあるのです。

漢方薬は、体質、症状の現れ方などから総合的に判断して処方が決められます。したがって、漢方医学的に「証」(※)が合えば、西洋医学的には異なる病名であっても、同じ処方を使用することがあります。幅広い病状・症状に適応することになり、いくつもの効果が期待できます。

家族を含め他の人に、ご自分の漢方薬を服用させることはおすすめできません。各個人の体質もそれぞれ違いますし、同じ病状を現していても、漢方医学的に見るとさまざまな違いがあることが多いです。つまり、自分には効果のあった漢方薬が、同じ症状のように見える他の人にも効果があるとは限りません。